4D(フォーディー) 2話

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–ここではない何処かに行くために–

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宮田は自室を裸でウロウロしている。
「御崎は・・あの時・・たしかに、視える、といった。
黒板に書かれた3本の直交する線・・・
それにさらに直角に交わる4本目の線が引けたということか?」

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職員室での宮田。何やら上機嫌だ。
引き続き、御崎が視えているものについて考えている。
「授業での発言から考えるに・・・
御崎には四次元空間が視えていることになる。
ここでいう四次元とは三次元に時間を足したミンコフスキー時空ではなく、純粋に4つ目の方向を持つ空間のことだ。
三次元では密閉されている場所、例えば引き出しの中も第四の方向からのぞき込むだけで簡単に視えるんだ。
これはいわゆる透視だが、超能力とよばれる現象に説明がつくかもしれない。
密閉されている空間の物体に手を伸ばし、つかみ、たぐりよせることもできる。
透視と四次元・・一見無関係なこの2つが結びついた・・これは天啓だ。」

宮田はある実験を試みる。
御崎を教室に呼び出し、自分は先に教室で首をつっておく。
(実際は当然吊っていないが)

御崎は教室に入る前から、ドアの向こうで宮田が首をつっているのが視える。
御崎は驚いた様子で教室に入る。

宮田
「やあ!びっくりしたかい?ロープで体ごと縛ってぶら下がっていたんだ。」
御崎
「ふざけないでください。こんな悪戯をするためにわざわざ呼び出すなんて・・・」
宮田
「なぜ部屋に入る前から焦っていた?外からでも僕が首をつっている姿が視えたんじゃないのかい?」
御崎
「どういうことですか?」
宮田
「君は蓋のしまった側溝の中に落ちた鍵を見つけ、数学の授業中、四次元の話をしたとき”視える”と言った。
ひょっとして、君には空間のゆがみが視えているんじゃないか?」
御崎
「空間の・・歪み?あの隙間が?」

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宮田
「やはり視えているんだね。僕の考えではそれはおそらく三次元と四次元の接空間だ。
君には四次元の世界が視えているんだよ。」
御崎
「いいかげんにしてください。」

そこに体育教師の巽が入ってくる。
補講と称して御崎を柔道場でいたぶるつもりだ。


「お前の態度が悪いのは性根がひねくれているからだ。
俺がその精神を鍛えなおしてやる!」
御崎
「偉そうに・・痛めつけたいだけでしょう。この変態教師が!」

巽は御崎に絞め技をかける。


「簡単におちるなよ。失神している間に何をされるかわからんぞ。」

巽は御崎のみみたぶをなめる。

ギョッとした御崎は巽の手をすり抜ける。

完全に極まっていたはずなのに・・・

その時、御崎の目が、能力を使うときの目に!

そして巽の体は宙に浮き、顔の皮がめくれ、柔道場の畳がなぜか校庭に落ちていた。

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それを目撃した宮田は歓喜の表情を浮かべていた。

宮田は御崎に近づくが

御崎
「近づかないで!小さいころから感情が高ぶると心が離れていって、気づいたときには誰かを傷つけてしまっている。
この力はいったい何なの?」

宮田
「素晴らしい・・・君こそ僕が求めていた問題だ!
僕なら必ずその力の謎を解いて、君を正しい答えに導いてみせよう。」

御崎
「問題?何勝手なこと言ってるの?面白半分で私に関わらないで!」

宮田
「誤解をさせてしまったようだが、面白半分などではない。
我々数学者は常に”問題”を解くことにのみ興味を抱くのだ。
そして僕は見つけた。君こそが探し求めていた”問題”だ。
君が必要なんだ・・・」

と言って、宮田は御崎に手を差し伸べる。

御崎
「さっぱり意味わからない。先生って、本当・・・変。」

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解き明かして見せる。超能力と呼ばれるものの正体を・・

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○感想

本文では割愛しましたが、作品中には”世界のすべて”の話が載っています。
富・権力・名声といったものは世界の半分にしかすぎない。
残りの半分を追い求めるのが数学者という生き物だと。

未だ解かれぬリーマン予想に挑み、人生を棒に振った者たち。
ポアンカレ予想を解決するも100万ドルの賞金も受け取らずフィールズ賞すら辞退して貧しい生活を送るペレルマンを例に出しています。

いささか、かっこよすぎるような気もしますが、
真の研究者とはそういったものなのでしょうね。

シェアありがとうございます

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