アルキメデスの大戦 1話 新型戦艦建造計画

公開日: 

時は太平洋戦争開戦前。
大日本帝国海軍と、その海の怪物はより大きく、より過激に変貌していく。

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1933年(昭和8年)、太平洋上

赤城

大日本帝国海軍
第一航空戦隊
洋上演習
航空母艦「赤城」

山本五十六

航空母艦「赤城」は、司令長官山本五十六のもと、洋上演習を行っていた。

山本五十六

山本
「戦艦などいらぬ。
航空母艦がもっと欲しい。
これからの戦いに必要なのは空母。
艦載機と搭乗員、空母を守る高速の護衛艦。」

1933年、日本は激動の時代の中で大きく揺れていた。

1929年、世界恐慌が日本を直撃。
疲弊した国力の回復をもくろみ、中国大陸進出に挑む。

1932年、関東軍が占領した地域に満州国樹立を宣言した。

日本は中国大陸進出を加速させたが、同時に中国市場を狙う欧米列強との対立は深刻化していく。

経済的利害の対立は軍事にも多大な影響を与えた。
特に海軍の軍事力増強は各国の思惑が入り乱れる。

当時、日米英仏伊の五大海軍国は、軍艦の削減を目的としたロンドン軍縮条約を批准して、海軍力の均衡を図っていた。

この中には戦艦の建造中止も含まれていた。

しかし、ロンドン軍縮条約の有効期限は5年。
2年後の1935年になれば、一斉に強大な新型戦艦建造に走り出すことは明白であった。

一方、日本海軍は軍艦の老朽化が進み、軍備の更新が急務であり、
中国大陸をめぐって不穏な空気が世界を覆う中、
帝国海軍を象徴する純国産最新大型戦艦の建造を目指す気運が盛り上がっていた。

横須賀。

山本五十六のもとを、造船少将藤岡喜男が訪ねていた。

藤岡

新型戦艦模型

山本
「いいじゃないか、強そうな船だ。」

藤岡
「対航空機戦闘を第一に、剛性の高さが特徴です。」

山本「本来ならば、航空母艦を多く建造してほしいところだが、戦艦が必要であることも、十分承知している。
新しい時代の戦争は航空機攻撃が主流となる。
軍艦がこれに対抗するには、多重隔壁による水密防御を徹底させてほしい、」

藤岡
「全体としては小ぶりですが、その分高速で機動性を重視しました。」

山本と藤岡の新時代を見据えた戦艦の設計図は完成していた。

後は、新型戦艦建造計画会議で採用を目指すのだが・・・

もう一隻の選考を競う相手は

平山海軍技術研究所所長。

後ろ盾は軍令部の嶋田。

他の選考委員は、大角海軍大臣、永野横須賀鎮守府司令長官。

山本の方から、永野長官に根回しをしておくことに。

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海軍省。

永野長官
「山本から話は聞いた

永野長官

藤岡
「お力添え・・よろしくお願いします。」

新型戦艦建造計画会議。

出席者は前述のとおり、

大角海軍大臣、

軍令部の嶋田

平山海軍技術研究所所長

永野横須賀鎮守府司令長官

藤岡造船少将

の五名。

大角嶋田平山
永野藤岡

嶋田は平山の後ろ盾なので、カギは大角海軍大臣である。

まずは藤岡案の模型を見せる。

大角
「なんか、ごつごつしていて不格好ですな。」

不評である。

藤岡
「対航空魚雷防御を強化する目的でこのように・・・
将来の海戦は航空機爆撃の応酬になると想定し、対策を施しました。」

次は平山案の模型。

平山案模型

模型のサイズが大きい。

ほくそ笑む平山。

大角
「実に美しい。日本の軍艦はこうでなくては。」

大角海軍大臣、完全に平山案に傾いている。

大角大臣

性能よりも、美しさが気になるようである。

機能重視の藤岡案と外見、大砲重視の平山案は真っ向からぶつかり合い、議論は紛糾。

しかし、内情は永野と嶋田の権力闘争であった。

ここで、大角大臣が議論の方向性を変える一言。

「平山案に比べ、藤岡案は建造費が随分と高いねえ。」

平山は案を通すために不当に安い見積もりを作成したのだ。
(戦艦の建造は3年もかかるため、後から追加で予算をつけようという事)

平山
「見積もりに関しては、様々な智恵と工夫を凝らし、自信をもって算出いたしました。」

藤岡と永野は常識ではありえない数字と反論する。

結局決着がつかず、次回の会議へ持ち越しとなった。

会議後、藤岡は、永野から「数字を操作しても建造費を削れ」と言われ、

「わかりました。」

と答えたものの、不正ができない性質の藤岡は頭を悩ませる。

山本、永野、藤岡の3名が料亭で会食。

永野はここでも、藤岡にどんな手を使っても見積もりの大幅削減をしろと詰め寄る。

しかし藤岡
「不正操作だけはご容赦ください。
設計技術者としての信義に反します。」

ここで山本が、”秘策”を考えてきたと切り出す。

その秘策とは、計算の優れた人間に平山案の見積もり計算のやり直しをさせ、虚偽の見積もりを提出していたことを明らかにする。

そしてそれを突破口に、大角大臣を説得し、平山案を廃案にする。

永野
「たしかに・・それは痛快、我々の本望だ。」

次は計算をする人間の選定にかかる。

大蔵省の主計局の人間でもよいが、内密に事を進めるには全く別の世界から探すことに。

そこで山本が思いついたのは・・

「帝大数学科の学生を一人知っている!
その学生はある財閥のパーティーに客として招かれていた。
私に紹介した方によれば、頭脳明晰、すこぶる優秀にしてまさに・・

数学の天才であると。」

そこに料亭の女将があいさつに来て、今日はある人物が芸妓を独り占めにしているために芸妓があいさつに来れなかったと言い訳をする。

その人物とは、帝大の数学科の学生だという。

三人はもしやと思い、その学生を見に行くことに。

山本が「失礼する」と、学生のいる座敷の障子を開けると、

学生

山本
「やはり君だったか。
覚えてないかね、海軍の山本だよ。」

学生
「ああ・・」

山本
「君はたしか・・

櫂直

–1話ここまで

○感想

おもしろいですね。

見積書の不正を暴くのに数学の天才を担ぎ出すとは・・・

展開がホントに楽しみです。

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