銀魂 579話 徨安のヌシ

公開日: 

星海坊主
(はるか昔に滅んだ 夜兎の母星に・・
人などいるはずのない、このしの星に・・

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女は立っていた。

江華

星海坊主
(俺も勃っていた。)
「お前は・・・
まさか本当に この星に人がいたとは。」

おんなは無視して立ち去ろうとする。

星海坊主
「オイ待て!!」


「この星は しんでなんかいないさ。
土は枯れ 水は腐り、人は住めなくなったが。

生き物


「私は 生きている。
星に生きる無数の生物のうち”人”が滅んだだけの話だ。
人の基準だけで勝手に星を計らん事だ。
帰るがいい。
闖入者のためにまた星から一つ生命を消したくはない。
やつら(オロチ)を鎮めねば」

星海坊主
(その時俺はしった。
徨安のヌシとは、あの女であったのだと。)

星海坊主「オ オイ 待っ・・・」

星海坊主はオロチに食われるも、

星海坊主

星海坊主
(あの女は危険だ。
関わればしぬかもしれん。
俺の本能がそうつげていた。
だが同時に俺の本能はつげていた。)

星海坊主と江華

星海坊主は女に砲撃を受ける。

坊主
(この女しかいない。
それから女は三日三晩オロチを鎮めるため戦い続けた。
そして俺も三日三晩 俺のオロチを鎮めるため女を口説き続けた。
それは一目惚れというにはあまりに野蛮で原始的な本能の発露だった。)

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ぶ星海坊主
「お茶でもどうですかぁ!?」

女は無視。

坊主
(俺はまるでガキの頃に引き戻されたように狼狽え本能に弄ばれた。
だが女はそんな俺に一瞥もくれる事はなかった。
女が59本目のオロチを倒し、オロチが引き始めた頃。)

ぶちっ

女は振り返る。

星海坊主

星海坊主
「俺の名は神晃。
アンタの名は次来た時にでも聞こう。
徨安のヌシが許してくれたらの話だが。」


「そんな事を言うために三日三晩つき合ったのか。」

星海坊主
「他人のウチにきたらまず戸を叩き名乗るのが礼儀だった。
騒がせて悪かったな。
アンタのかぞくオロチ)にも謝っといてくれ ヌシ殿。」


「・・・他人のウチではないよ。
おまえたち夜兎の故郷だ。
帰りたければ勝手に帰ればいい。
もっとも私のしる限り、戸を叩くどころか、こんな所に里帰りするようなもの好きにはお前一人だったが。
オロチはお前を拒んだわけじゃない。
興奮してじゃれていただけさ。
皆に忘れ去られたこの星を・・
私達を覚えている者がいた事が 嬉しかったのかもな。
それから私は徨安のヌシじゃない。
江華(こうか)だ。」

坊主
(それから俺は定期的に里帰りするようになった。
いつからかオロチは襲いかかってはこなくなった。

星海坊主と江華が屋内で話している。

江華
「お前をこの星のなかまと認めたのか。
それとも新しいヌシとでも認めたか。
お前なら本当に務まりそうだな。」

星海坊主
「食いもんもロクにねェ。
あるのは腐った土と水だけ。
俺なら十日もつまい。
江華 お前一体何だってこんな所にいるんだ。」

江華
「お前達と同じだよ。
お前達はここで生きられなくなったからこの星を捨てたのだろう。
私はここでしか生きられない だからここにいるのさ。
大戦で生き残った僅かな夜兎は他の星へ散り散りに移り住んだ。
だけど故郷を捨てられず星と共にしぬ道を選んだ連中もいたのさ。
毒にまみれた星で毒を食み生きたその者らは その多くが命短くしてしんでいったが、中には苛酷な環境に適応する者もいた。
私はそんな奇特な一族の末裔 最後の一人さ。
その気になればお前のその臭い長靴だって食べて生きられる。
しんだ方がマシだがな。」

星海坊主
「家族も知り合いもいねェなら長靴食ってる理由もねェだろ。」

江華
「だがここを離れる理由もないだろう。」

星海坊主
「どんな所だってここに比べりゃ天国だ。
それにお前・・・さびしくねェのか。」

江華
「さびしい? そいつは思いもよらなかったな。
そんなものがここを離れる理由になりえるのか。
だったとしてもそんな感情、どんな時に感じるものなのかすら、もう随分前に忘れてしまったよ。
私はこの星で生まれ育った。
自分が眠っていた揺籠を苦に思う赤子はいないだろう。
お前の目にはどう映っているかしらないが、星一つを独り占めし好き勝手できるこの生活を私はそれなりに気に入っているんだ。
それにここも楽しみがないわけじゃない。
星中の本を読みあさったり人目を気にせず大声で歌ったり。

江華

星海坊主
(俺は江華にいつも決まって色んな星に訪れた話をした。
一歩も星から出た事のないアイツにとっては興味深ろうと思ってな。
アイツは煙をくゆらせていつも退屈そうにきいてた。
そのくせその場から離れずじっと耳を傾けていた。
ある時俺の話を遮りアイツは言った。)

江華
「神晃 もうその話はいい。
もう飽きた・・話は。
この目で見てみたい 他の星(せかい)が。」

星海坊主
「でもお前・・・」

江華
「遠くからでもいいんだ。
連れていってくれないか。

星

星海坊主と江華

星海坊主
「キレイか。
人の住む星は元来ああいうもんだ。
だが宇宙は広い。
上には上がある。
地球ってしってるか。」

江華「地球。」

星海坊主
「今開拓中の辺境の星らしいが清い水、豊かな土に恵まれたそれは美しい星らしい。」

江華「・・・」

星海坊主
「江華・・・俺と一緒にいってみねェか、地球へ。
いや、地球だけじゃねェ。
いきたい所があるなら、この星海坊主様があんな星からお前を連れ出してどこへだって連れていってやる。
だから俺の・・・」

星海坊主は震えながら江華の手を握ろうとする。

「俺の・・・」

星海坊主と江華

星海坊主
(その日 いつもは見送りなんてしないアイツが、いつまでも俺の船を見つめてた。)

星海坊主
(次に徨安を訪れたとき、アイツの住処はもぬけの殻になっていた。
その時になって気づいた。
アイツがいつも俺を見送らなかったワケも、あの日だけ見送ったわけも。
・・・
12日間飲まず食わずで捜し回ったがアイツは見つからなかった。)

行き倒れた星海坊主、ふと顔を上げると、

(そこにオロチは静かに立っていた。)

江華
「やれやれ困ったものだな。

江華

言ったじゃないか。
私はこの星としぬ一族だって。
一人でずっと生きてきたんだ。
一人で生きていかなきゃいけないんだ。
なのに・・・
なんでこんな感情思い出させるんだ」

星海坊主と江華

–579話ここまで

次回 銀魂 580話へつづく

○感想

いい話でした。

随分と年月をかけて口説いたんですね。

あと、江華に会う前に1個潰してたんじゃなかったかな。

何個もあるのかな。

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