火ノ丸相撲 85話 鬼丸国綱と大典太光世

公開日: 

駿海、稽古場の畳に寝転がり、レイナにつぶやく。
「・・・今日は30分くらい見てやろうかね、相撲。」

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レイナ、掃き掃除しながら
「今までの倍じゃないですか!
あいつ喜びますよ!
もう右ひじは大丈夫そうなんですか?」

駿海
「良くはなってるだろ。
まぁ、時間を長くしたところで、あいつが気付けなきゃ成果も何も出ねぇがな。
ところで今日は手伝わなくていいのか?
飯の支度。」

レイナ
「ああ・・・それが・・」

レイナの回想、ちょっと前。

今日のミッションは100円で天丼。

当然30分以内。

火ノ丸
「今日はワシに任せてみてくれんか?
自信ありじゃ。」

駿海
「ほぉ・・
何やら進展がありそうじゃねえか。」

レイナ
「だといいんですけどねー。」
(しかしあいつ・・
天ぷらなんて作れんの?
お腹壊したら怒るぞ!)

レイナが箒をバットのように振り回していると

駿海
「何遊んでんだ。
下を掃け下を。」

そして、箒を後ろから掴んだのは

典馬

典馬
「お疲れさんでございます。」

駿海
「・・・
ウチに来客とは珍しい。」

そこに火ノ丸
「ただいま戻りま・・・
!!
日景典馬・・!!
何でてめえがここに・・!!」

典馬
「お前に用はないよ、鬼丸。
俺が会いに来たのはこの人だ。
・・横綱を2人育てた名指導者。
そして何より自身が横綱になったその経験で、

典馬

レイナ、火ノ丸に
「・・・何なのよ、あのデカイの・・・
おチビの知り合い?」

火ノ丸
「・・・・
レイナも知っとる奴じゃ。
名古屋初日の夜、みんなで全国強豪校のビデオを見たじゃろ。」

レイナ「あっ・・・!」

回想。

部員皆でビデオを見ている。

國崎
「・・こいつが昼間火ノ丸と戦ったってやつか。
結局どっちが勝ったんだよ。」

桐仁
「それが、途中で金沢北高の仲間が割って入って、勝敗はうやむやになっちまって・・・」

火ノ丸
「・・ワシに変にを遣うな桐仁。
あいつを前にワシの相撲は丸裸じゃった。
あのまま続けていたら、負けていたのはワシじゃ。」

レイナ
(おチビにそこまで言わせる奴・・
堀ちゃんが言ってた並みじゃない高校生の一人・・
三点投げが効かない相手・・)

駿海
「日景・・・
そうか、お前か・・・
大関大景勝の弟ってのは・・・
だったらオレの悪評も耳にしているはずだが?
角界の中心に近い奴ほど、俺のことを悪く言うからなあ。」

典馬
「・・そんなのはあんたの稽古についていけなかった腰抜けのいう事だろ。
俺はそいつらとは違う。
ただ・・・

典馬

レイナ
「ちょ・・ちょっと待ってよ!
後から来て何勝手なこと言ってんの!?
駿海さんは今このおチビの師匠なの!」

駿海
「・・・そのお嬢ちゃんの言う通りだ。
俺には小鬼の師匠としての責任があるし、本来なら指導者としても引退した身の老いぼれ。
二人も面倒は見れねえんだ。
時期が違えば見てやらんこともないが、今日のところは帰りなさい。」

典馬

レイナ「なっ・・」

駿海
「あのなあ、お前さん。
さっきから弟子になろうって態度じゃねえぜ。
俺がお前を教えたいかどうかってのも大事だろう。」

典馬
「もちろん、惚れさせるのが弟子の役目さ。
そのくらいの甲斐性はあるよ。
俺の相撲を見れば変わる。

典馬

レイナ
「はあ?何それ!!
勝ってアンタが弟子になるってこと・・?」

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典馬
「俺の態度が気に入らないなら謝るよ。
でも俺だって必死なんだ。
なりふりかまってなんかいられない。
普通にしてたって足りないのは、兄を見てよく知ってるから・・・

典馬

俺にビビった腰抜けに、この勝負を受ける度胸があるかどうかが問題だけどな。」

火ノ丸

駿海
「バカヤロウ!!
小鬼・・てめえは今俺の善意を踏みにじろうとしてるんだぞ。
まだ三点投げの修業の途中だろうが。
俺の許可なしに相撲は取るなと言ったはずだ。
この勝負を受けてみろ・・・
その時点でてめぇは破門だ!!」

火ノ丸
「・・なら許可をください。
こいつとは・・
どこで会ってもきっとこうなってた・・
一度目の勝負でこいつにビビったあの時のワシと決別しなきゃいけねぇ・・
今日までの成果を見せます。
ワシがあなたを信じてやってきたように、ワシを信じて下さい、師匠。

火ノ丸

駿海
「フン・・・
そこまでいうなら好きにしろ」
(若造どもめ・・・
この俺を振り回しやがるか・・・
これも新しい時代の風なのかね・・・」

レイナ
「・・成果って・・
雑用してただけなのに・・・」

駿海
(惚れさせるか・・・
2メートルを超える長身・・・
長い腕に広い肩幅・・
もう少し胴が長けりゃ正に理想的。
確かに小鬼とは別の意味でそそる素材だ・・・)

レイナ
「あ・・あの・・・」

駿海
「ん?」

「本当に負けたら終わりなんですかね・・・
あのバカ自分の首を絞めるようなことを・・・」

「知らねえよ、あいつらが言い出したことだ。
言った以上は負けた方が去るんだろうよ。」

「・・ですよね・・・」

「ただ一つ言えるのは、どっちもわかってるって事だ。
大口叩くくらいの気概がなきゃ、横綱には掠れもしねえってな。」

駿海

典馬と火ノ丸

火ノ丸、一発で土俵際まで飛ばされる。

典馬
(サンダル履きの一戦目と、同じと思うなよ。)

レイナ
(なっ、何その威力!?)

典馬
(まったく、小さくて可愛いね、鬼丸。
年寄りや素人にはさぞちやほやしてもらえるだろうよ。
だが上には行けない。
高い所ばっか見てねえで受け入れろよ。
大型化の時代に取り残されたお前に、土俵で生きる道はねえ・・・)

典馬

火ノ丸
(・・・ここにきて数日間・・・
相撲から遠ざかっていたおかげで気づけた・・
天王寺に焦り、オーバーワーク気味じゃった自分に・・・
右ひじだけじゃない・・
休ませた全身から

典馬と火ノ丸

典馬と火ノ丸

駿海
(・・・その体に似合わぬ”剛力”も、小鬼本来の魅力の一つよ。)

火ノ丸
(よくもワシの技にケチつけてくれたな・・
だからあんたで”答え合わせ”じゃ。)

火ノ丸

–85話ここまで

○感想

決着・・どうなりますかね・・・

典馬が負けるのも不自然というか・・・

同体かな?

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