火ノ丸相撲 89話 選手と監督

公開日: 

今日も三ツ橋が柴木山親方に稽古をつけてもらっている。

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親方
「今日はこんな所かな。
今の感覚忘れるなよ。」

三ツ橋、息が上がっている
「あ・・・ありがとうございました。」

見ていた桐仁
「・・・まったく、どのくらいわかってんのかね。
正直うらやましいよ。
凄いコトなんだぜ?
柴木山親方の胸を借りるなんてよ。」

親方
「僕もたまに体動かさないとね。
まだまだ
高校生の相手くらいなら務まるよ。」

三ツ橋
「・・・・確かに親方は凄いです。
監督なんかより教え方も丁寧で分かりやすいし。
この人、説明が雑だし、余裕がないし、指導者としてはまだまだですねー。」

桐仁、落胆。
「お前・・・
親方と比べるのはなしだろ・・・」

親方
「ハハハッ
年季が違うさ。
よくやってるよ。」

桐仁と三ツ橋

桐仁
「・・・まぁな。
二か月以上も鍛えてりゃ変わるさ。
まだまだ力士としては頼りないが、お前はよくやってるよ。」

三ツ橋
「・・・僕だけじゃない。
みんな監督には感謝してるんです。
関東新人戦でズタボロにされたダチ高に現れて、進むべき道を示してくれた。
監督がいなかったら、石高に勝つなんて出来なかっただろうって・・・

桐仁と三ツ橋

桐仁
「そういうのは全国大会で優勝するまで取っとけ!
まだ戦いは終わってねぇんだ!
ったく!」

三ツ橋
「へへ・・・
・・・
あの・・・親方。
もう少しだけ付き合ってもらってもいいですか?

桐仁と三ツ橋

桐仁
「・・・・!?
な・・・何を言ってる・・・」

三ツ橋「・・・」

桐仁
「ハハハッ・・・
おいおいよしてくれ。
さっき羨ましいなんて言ったからか?
変な気を回すな。
俺の事情は知ってるだろ。
俺は20秒以上戦えない肺の欠陥力士だ。
だから俺は土俵を下りて、監督として戦うことを選んだ・・・」

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三ツ橋
「もちろん知ってますよ。
でも20秒なら戦えるんでしょ?
ずっと気になってたんですよね。
IH団体予選団体戦・・・
補欠としての選手登録すらしてなかった事・・・
稽古場でも火ノ丸さんと戦って以来、たまに胸を貸すことはあっても、相撲は一度もとってない・・・
何でですか?」

桐仁
「・・・それがオレの・・・
監督としての覚悟だ。

桐仁と三ツ橋

三ツ橋
「監督はボクに付きっ切りでしたからね。
おかげで僕にも監督のことがよく見えてるんです。
監督覚悟を疑ったことはありませんよ。
でも・・・
本当にそれだけですか?

桐仁と三ツ橋

桐仁、頭をかきむしる
「・・・・
何だ・・・?
何なんだ。
どうして俺を土俵に上げたがる・・・!?
まさか今更になって怖気づいて代わりに出てくれってんじゃねぇだろうな!?」

三ツ橋
「・・・・」

桐仁と三ツ橋

三ツ橋
「僕らは監督と選手である以前に、僕もみんなも君と同じ相撲好きの一人の高校生じゃないか。
そう・・・みんなで話し合って決めたんだ。
監督としての覚悟も尊重はしたい・・・
けどやっぱりおかしいだろ。
僕らはみんな同じなのに、どうして君一人が犠牲にならなきゃいけないんだ!
僕らには君が捨てたものの大きさと・・・
その苦しみがよく分かる。
だからこそこのままにはしておけない!」

桐仁と三ツ橋

三ツ橋
「今ならきっと両立できるはずさ!
マネージャーだって入ってくれたし。
親方や・・・
空手の師範に、ワカメ漁師のおじさん・・・
君が繋いだ協力者たちもいるじゃないか!

桐仁と三ツ橋

三ツ橋
「みんなと一緒に相撲の稽古をしよう!」

桐仁
「・・・・!!
お・・・俺は・・・」

親方
「よし、辻君おいで。」

「え!?
いや・・・俺はその・・・
廻しもつけてないし・・・」

「いいよ、そのままで。
何を遠慮することがある。」

柴木山親方

桐仁、遂にネクタイを外す。
(うっ・・・
くそっ・・・こんなの・・・
我慢出来る訳ねぇじゃねぇか・・!!」

親方と三ツ橋

桐仁、一気に土俵際まで押される。

桐仁
(ぐっ・・・
これが50になろうって人の当たりかよ!
やばい!
緊張感で息が乱れる!
これじゃ20秒も持たねえぞ!
くそっ、このポンコツめ・・・・!!
20秒以内に勝てばいい・・?
そんなに相撲は甘くねえよ・・・
上手くいく保証はない・・・
出ない方がマシなほどの醜態を晒すかもしれない・・・
みんなに迷惑をかけるかもしれない・・・
でも・・・
こんな俺でもお前らはやっていいって・・
そう言うんだな・・・!?
三ツ橋・・みんな・・・

親方と三ツ橋

決まった!!

三ツ橋は息が上がっている桐仁に酸素を渡す。

そしてひっくり返っている親方に
「大丈夫ですか!?」

親方
「フフフ・・・こりゃ冴ノ山でも連れてこなきゃ足りんな。
まだ高校1年生なんだろ?
迷っているなら、色々やってみるといい。
しかし本当に何もしてなかったのか?
全然やれるじゃないか。」

桐仁
「いや・・・まぁ、筋力を維持する程度には少し・・・」

親方
「なるほどな・・・・
皆が必死になるのもうなづける。」

三ツ橋
「・・そうなんです!
強いんですよ、この人は!」

桐仁
「よせよ・・・」
(ベストな形・・・か。
どこまで役に立てるかわからないが・・・
監督の俺も、選手の俺も、全部使って、みんなを日本一にして見せる!!

ダチ高相撲部

–89話ここまで

次回 火ノ丸相撲 90話へつづく

○感想

桐仁の親方と相撲を取っているときの活き活きした顔が印象的でした。

真剣勝負の場での桐仁、楽しみです。

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