クダンノゴトシ 1話 辻元光 其ノ一

公開日:  最終更新日:2015/10/04

–前途が奈落へ堕ちる瞬間、予期せぬ遭遇(であい)がもたらす、絶望への1週間(カウントダウン)–

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2月19日

山沿いの道を1台の車が走っている。
車中には大学生が7人。

7

「卒業旅行が伊豆って・・・やっぱどうなんだ?」
「楽しかったんだからいいじゃん。温泉も料理も最高だったし」

藤澤伸司(22)城栄大学4年出版社内定
「いや、そうだけど、オレら仮にも旅行サークルだよな?せめて沖縄とか。」

馬場あゆみ(21)城栄大学4年スポーツ用品メーカー内定
「しょーがないじゃん!ビンボーなんだから。だからうちらの代でつぶれるんでしょ?」

小野寺洋太(23)城栄大学4年スポーツジム内定
「テニサーどこだか知ってっか?イタリアだってよ、イ・タ・リ・ア」

河合舞(22)城栄大学4年食品メーカー内定
「い~ない~な・・・舞も本場のパスタ食べたい~。」

あゆみ
「そりゃ、外国とか行ってみたいけどさ・・・」

白石辰巳(23)城栄大学4年実家コンビニ経営継承
「じゃ、じゃあさ・・・お盆あたり海外デビューしちゃう?
社会人になりゃみんな金だって–あ・・・」

ちょっと気まずい雰囲気に。そのわけは、

辻元光(22)城栄大学4年内定なし
「ま、幸せな内定組の君らが俺の旅費出してくれるってーなら・・・
海外行ってやってもいいけど~?」

hikaru

辰巳
「ちゃんと就活せい!」

「明日からするって・・・」
あゆみ
「千鶴気を付けろ~、光ヒモの素質あるよ~。」
桜井千鶴(22)城栄大学4年印刷会社内定
「うん、気を付ける。そういえばさあ、光、今朝早く一人で旅館出たでしょ?」

tizuru


「ああ、散歩だよ、散歩。」

光と千鶴は付き合っている模様。

辰巳
「なあ、洋太・・今さあ、どこ走ってんの?」

山道を走っている。ナビを見ると道がない。


「怖い~」
あゆみ
「Uターンしたら?気味悪いよ。」

「おいおい、お前ら・・・学生の卒業旅行なんてよ・・ノリがすべてだろ~。」
辰巳
「だな、よし行け、洋太」

とそのとき、車の前に大きな物体が突然現れた。

「キイイイ、ドオン!」

車のフロントは大きくへこみ、停車。

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洋太
「なんかが飛び出してきて、轢いた。」
千鶴
「人ってことないよね。」

男たちは手に棒を持ち、女たちはそのあとについて、
轢いた「物体」のもとへ。

スマホのライトで照らすと、それは大きな牛だった。


「ど、どこから逃げてきたのかな・・・」
洋太
「よかった、人じゃなくて。」

牛が少し動く。

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伸司
「まだ・・生きてるぞ。」

牛が伸司たちのほうに顔を向けた。
その顔は・・・人面!

人面牛
「雨ガ降ル・・・ソシテ・・オ前ラハ・・・」

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男どもは不気味さのあまり、持っていた棒で人面牛を叩きのめす。

「この、この、くたばれ!!」

人面牛は動かなくなったが、口元は微かに笑っていた。

しかし、翌日レンタカーを返しに行くと、車にへこみはなかった。

呆然とする7人。

疲れていたが故の集団幻覚ということで納得することにしたが・・・

翌2月20日、アパートの自室から光は千鶴に電話を掛ける。
自分の就職が決まらないことを理由に別れ話をきりだす。
千鶴は納得しないが、「わりっ・・そういうことで」
と一方的に電話を切ってしまった。

そして、光は・・・遺書を傍らに置き、ドアノブにひもをかけて命を絶とうとしている。
「大騒ぎになっちまうんだろうな・・でも、楽になりたいんだ。」

遠のいていく意識の中で、光は声を聞く。
「起キロ・・・自ラノ絶命ハ認メナイ・・・」

目の前にあの人面牛が立っていた。

人面牛
「サァ・・・始マリダ」


「うわあああああぁぁぁ・・・」

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–クダンノゴトシ 第1話 ここまで

○感想

クダンノゴトシの意味が分からないので検索してみました。
クダンとは「件」と書きその字の通り、人と牛が合わさった妖怪のこと。
牛から生まれ、人間の言葉を話すとされているみたい。
予言をすると必ず当たるとされていて、そのことから、
文書の終わりに「仍(よ)って件(くだん)の如(ごと)し 」と書いて、
前記記載の通りである、という意味で使うみたいです。
今回その「クダン」がした予言は
「雨ガ降ル・・・ソシテ・・オ前ラハ・・・」
と、「サァ・・・始マリダ」ですね。
前者はどうなるのかをいっていないし、後者は何が始まるのかを言っていません。
次回、どうなるのでしょう。

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