ニセコイ 216話 シンソウ

公開日: 

千棘が華から聞いた驚愕の事実。
「あの絵本の作者が・・楽のお母さん・・・!?」

スポンサードリンク

千棘
「それ・・・どういう事!?
それに・・・どうしてママがそんな事知って・・・」


「どうしてって・・・
だってあの絵本は私が彼女から直接貰ったんですもの。
言ってなかったかしら。
私とぼうやのお母さんは高校の頃の同級生なのよ。」

千棘
「ええ!?そうなの!?」


「更に言うと、あなたの友達の小咲ちゃんと万里花ちゃんのお母さんも皆同級生よ。
ちなみに皆同じクラス。」

千棘
「えええええええ。
何ソレ全部初耳なんだけど・・・!」


「そうだったかしら。
とにかく会ってみたいなら会わせてあげられるわよ?
何かヒントを得られる保障はないけれど」

千棘
(・・・驚いた 同級生だった話もそうだけど、まさか絵本の作者が楽のお母さんだったなんて・・・
この事、楽も知らなかったってことかしら・・・ 
・・・ん!?でもちょっと待って

楽と千棘

千棘
(いや・・・まだそうとは限らない。
だって今現在、絵本は小咲ちゃんが持っていて、小咲ちゃんのお母さんは絵本は人から貰ったって言ってた。
つまり・・・私が小咲ちゃんにあげたって事になる。
私が楽と出会う前に小咲ちゃんに会ってて絵本をあげてたとしたら・・・)


「・・・どうする?
会いに行ってみる?」

千棘
「・・・うん、行ってみる・・・!」

すでに帰国した楽と小咲。
秘密の場所で話している。


「・・・結局・・・空振りに終わっちまったな・・・ 
わざわざアメリカまで行って収穫が一目顔を見た程度・・・
もう1度アメリカ行くような金なんてねぇし。
あのバカ・・・こっちがどれだけ心配してると思って・・・
わりぃな小野寺 せっかく付いてきてもらったのに一言も話せずじまいで・・・」

小咲
「え!?ああうん仕方ないよ、気にしないで」

小咲

小咲
(・・・確信はすでにあった。
でも・・・やっぱりそうなんだね。
千棘ちゃんは・・・一条君のこと・・・
どうして・・・逃げちゃったの千棘ちゃん。
嫌だよ・・・こんな・・・
譲って貰うような事されても嬉しくないよ・・・
同じ人を好きになる。
それは確かに辛いけど・・・ 
千棘ちゃんも、もう顔も合わせられないくらい好きだったんでしょ・・・?
もしどちらかが結ばれるとしてもちゃんと納得して結ばれたい。
千棘ちゃんもきっと同じように考えてくれると思ったのに・・・
・・・何かそう出来ない理由があるの? 
教えてよ・・・千棘ちゃん・・・
やっぱり・・・もう1度千棘ちゃんと話したい。
会って話をして、どうするのか・・・どうしたいのか聞いてみたい。
そうしないと・・・ 私達は・・・)

「・・・もう少し 待ってみよう きっと千棘ちゃんは帰ってくるよ。
今は何か事情があって気持ちが落ちつかないだけなんじゃないかな。
だから信じよう。
きっとまた会えるチャンスが来るから、それまでは・・・ね?」


「・・・ああ・・・そうだな。」

小咲
(・・・もし、千棘ちゃんがこのまま戻って来ないつもりなら、その時は・・・)

「・・・私は いなくなったりしないよ。」


「・・・え?」

小咲と楽

手を離す小咲
「ううん 何でもない。
もし千棘ちゃんから連絡があったら教えて。
またね、一条君。」

立ち去る小咲。

スポンサードリンク

場面は変わってどこかの国・・・

千棘は大きな家のドアの前に立ち、深呼吸をしてからノックする

扉が開く

千棘
「あ・・・あの!
桐崎華の紹介で来ました桐崎千棘です!
楽の・・・一条君のお母さんですか・・・?」

楽の母
「久しぶりですね千棘ちゃん、会えて嬉しいわ。」

中に入る千棘

千棘と楽の母

千棘
(この人が・・・楽のお母さん・・・
とってもキレイで・・・
なんだか不思議な雰囲気を持った人・・・)

楽の母
「華ちゃんから大まかないきさつは聞いてます。
あの絵本についてですよね? 
確かにあれは私が描いた物です。
まだ学生の頃・・・初めて描き上げて本にした作品なんです。
私は今、絵本作家として活動していまして、世界各地を転々としながら絵本を執筆しているんです。」

千棘
「! そうだったんですか!?
楽からはそんな話1度も・・・!」

楽の母
「楽にはあまり仕事のことを話した事がありませんから・・・
楽が中学を卒業して、家の事を任せられるようになってからずっとこの調子で・・・
家にもほとんど帰ったことが無いくらい・・・」

千棘
(う~ん・・・ウチのママとは違った意味で凄い人だなぁ。)

楽の母
「・・・元々あの絵本を描こうと思ったきっかけはロミオとジュリエットでした。
あの物語・・・
最後に2人は悲劇的なしを遂げて終わってしまうでしょう?
私、どうにかあの結末に幸せな続きを作ってあげたくて・・・
千棘ちゃんは絵本のラストを覚えていないんですよね?
言ってしまうと あの本の結末は王子様も結局しんでしまうのだけど天国で幸せに暮らすという内容なんです。
ですがどういうわけか、あの絵本が巡り巡って楽の手に渡り、結末を書き変えてしまった。
その内容を見せて貰ったのですが 王子様と王女様が“生きて”結ばれて幸せに暮らすよう変えられていました。
その書き変え方がなんとも強引で微笑ましくて・・・
子供って純粋ですね 確かにしんで結ばれるより生きて結ばれる方が幸せですもの。
それ以降、私の描く本の結末は全てハッピーエンドになりまして。
おかげで本が売れるようになりました。
あの子には感謝しなくてはいけません。」

楽の母

千棘
(掴み所の無い人だなぁ・・・)
「・・・そういえばあの本のタイトルって何て言うんですか? 
私達が見つけた時には読めないようになってて・・・」

楽の母
「え? ・・・あー・・・」

千棘
「・・・?」

楽の母
「・・・フフごめんなさい。
実はそれを語るのは私にとっては少々恥なんです・・・」

千棘
「恥・・・?」

楽の母
「あの本のタイトルは“ザクシャインラブ”といいます。
そのままですね。
この“ザクシャ”という言葉・・・
どこの国の言葉かご存じですか?」

千棘
「はい・・・!私達も調べました!ポーランド語です・・・!
でも“インラブ”の部分は普通に英語で、どうしてこんな組み合わせなのかずっと疑問に思っていて・・・」

楽の母
「フフ・・・説明します。
あの絵本の中に“錠”と“鍵”というアイテムが出てきますよね?

千棘と楽の母

翻訳ミス

千棘
「・・・それって・・・」

楽の母
「そう・・・ただの翻訳ミス。
当時はまだ翻訳機の精度が低かったんです。
私が間違いに気付いたのは全てを描き終えた後・・・ 
華ちゃんがそれを教えてくれて・・・
私は恥ずかしさの余り、自らタイトルを削ってしまったんです。
でも華ちゃんに“勿体ないからいらないならよこせ”と言われて・・・」

千棘と楽の母

楽の母
「・・・でも、そうして生まれたこの絵本が千棘ちゃんに読まれ、楽や小咲ちゃんに読んで貰って・・
巡り巡ってあなたをここに連れてきてくれた・・・
不思議なものですね。
ただ・・・これがこの絵本の真実・・・
真実は時に過去の幻想を打ち砕いてしまいます。
・・・がっかりしてしまいましたか?」

千棘
「・・・とんでもないです。
素敵な話が聞けて良かったです。」

楽の母
「・・・あなた達はこの絵本になぞらえて約束を交わしたそうですが、子供達の間でだけ交わされた約束は私にも分かりません。
役に立てなくて残念ですけど・・・」

千棘
「いいえそんなこと!
本当にありがとうございました!」

楽の母
「・・・もしまだあの時のヒントを求めたいのなら、あそこへ行ってみるといいかもしれません。
場所を教えてあげます。

天駒高原

–216話ここまで

次回、ニセコイ 217話へつづく

スポンサードリンク

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

Your Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP ↑