食戟のソーマ 168話 出会いの日

公開日: 

秘書子が極星寮をドタバタと走り回っている。
「えりな様ぁ~~~!!
どこですか──!?」

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秘書子
「えりなさまが宿泊してる301号室にもいなかった・・・・・・
まさか・・・薊殿にさらわれたのでは!?
あああああ 私が目を離したばっかりに!!!」

慌てふためく秘書子はソーマの部屋を見る。

秘書子
(・・・そういえばあの部屋は見ていないが まぁあそこにはいないだろうな)

ソーマの部屋をスルーして、再び廊下を駆けていく秘書子。

「えりなさまぁぁぁあ~~!?
どこですか───!!」

ソーマの部屋。

ソーマ
「・・・・・・・・・」

えりな
「・・・・・・・・・・・・」

向かい合うえりなとソーマだが、お互いに無言のまま。

ソーマ
「どーしたなんか用」

えりな
「・・・・・・司さんとの勝負のことだけれど あのとき君の皿を選ばなかった事・・・・・・文句を言われる筋合いはありませんからね!
無謀な闘いを受けた君がいけないんだから!」

ソーマ
「いや実際 実力差はあったし仕方ねーだろ」

えりな
「そ・・・・・・っ そ そう・・・分かってるならいいのよ」

しーん ・・・・・・

ソーマ
「・・・・・・え!? 話おわり?(汗)」

焦るえりな
「ちっちがうの! えっと・・・その 聞いてほしいのはここからで!」

ソーマ
「よくわかんねーけど・・・まあ座れよ
ホラ座布団」

し~ん・・・

ソーマ
(・・・茶でも出した方がいいのか?)

そして唐突に話し始めるえりな。

えりな
「ある日まで・・・もしかしたら私は
・・・・・・いえ きっと私は 料理というものに何の情熱も持っていませんでした」

ソーマ
「・・・・・・?」

えりな回想。

えりな
「不味いわね」

何人もの料理人が提供した皿を次々に味見しダメ出しをする幼女えりな
温度、素材、付け合せ・・・大の大人にダメだししまくっている。

黒服
「味見していただきありがとうございますえりな様・・・
では引き続きよろしいですか?」

黒服の後ろには料理人が長蛇の列を作っていた

黒服
「まだまだ後がつかえておりますので・・・」

仙左衛門
「えりな・・・連日の務めで疲れているだろう
しばらく味見役の仕事は休みに・・・」

えりな
「・・・平気です 薙切家のためにも私が頑張らなくてはいけませんから・・・」
(“神の舌”を持つ者として仕方ないことだもの
おびただしい皿を前にして
味に絶望し続ける日々を送ることは)

えりな

ソーマ
「・・・・・・・・・」

えりな
「そんな時に出会ったのが才波様だったのよ」

屋敷をうろついているえりな。

えりな
「あの日はめずらしく味見役の仕事がキャンセルになって お屋敷への来客もなくとても静かだったことを覚えてる
アリスも北欧へ行ってしまった後だったから・・・ヒマを持て余していたのよ」

歩いている幼女えりな。
するとどこからともなくおいしそうな匂いが。

えりな
「・・・・・・!
・・・・・・なに?」

思わず窓の外を覗き込むえりな。

そこにいたのは、仙左衛門に料理をふるまう城一郎の姿。

えりな
(いいにおい・・・)

きゅうううううっとお腹を鳴らすえりな

城一郎
「!」

仙左衛門
「えりな!?」

お腹を押さえて顔を真っ赤にするえりな
「!!」(おなかが・・・)

仙左衛門
「味見役の仕事は・・・?」

えりな
「あ あの先方の都合で急遽とりやめになって・・・・・・」

仙左衛門
「・・・むぅ・・・そうであったか」

ヒソヒソ耳打ちする城一郎
「おいおい仙左衛門殿よぉ話が違うじゃねぇかよ~~
人払いは済ませとくっつったから来てやったんだぜ?」

仙左衛門
「ぐ・・・・・・・・・
ご ゴホン・・・!
えりな・・・この男は儂の個人的な友人でな・・・
これは私的な会食なのだ
そういう訳で・・・すまんが自室に戻っていてくれるか」

えりな
「は はい・・・ご ごめんなさい・・・失礼致しますわ」

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立ち去ろうとするえりなのお腹がもう一度鳴る

えりな

くすっと笑う城一郎
「そうか・・・君が薊の──
えりなちゃん よかったら君も食べてくといい・・・
男二人で食卓囲んでるのもむなしいからな
さあ・・・めしあがれ」

美しい皿を差し出す城一郎。
思わずえりなが唾を飲む。

城一郎の料理を一口食べる と向日葵畑で麦わら帽子を被った白いワンピースのえりな

えりな

えりな
(すごい 心の奥からあたたかさが広がっていくような
いままで食べてきた皿とは全然違う・・・・・・
たのしい
たのしい・・・・・・!)

笑顔で食事をするえりな。

そして帰り際、城一郎に声をかけるえりな。

えりな
「あ・・・・・・あのっ!!
お お名前はを聞いてもよろしいですか・・・・・・?」

少し考えて答える城一郎
「”才波”だ」

後日、仙左衛門の部屋を訪ねるえりな。

えりな
「・・・・・・あの・・・おじい様・・・・・・」

仙左衛門
「・・・・・・ん? なんだねえりな」

えりな
「・・・・・・い・・・いえ・・・なんでもありませんわ」

仙左衛門
「?」

えりな
(才波様のこと・・・もっとお聞きしたいけど
そして自室で嬉しそうに城一郎とのツーショットを眺めるえりなの姿。

えりな
「それがはじめて料理を素晴らしいと思った日のこと
そして その日から半年ほどたった頃・・・
お父様の”教育”が始まった・・」

背景には塵だ、芥だ、のシーン。

うつむくえりな
「才波様の料理を食べた時の感動は今も覚えているわ
けれど・・・お父様のおっしゃる理念の正しさも私にはわかるのよ」

ソーマ
「!」

えりな
(世の中にはどうしようもなく不出来な物があふれていて 私は物心ついた頃からその現実を見せつけられて育ったのだから)

「・・・・・・わからなくなってしまったの
私にとって 料理とは何だったのか
何を拠り所にすべきなのか・・・
すごく・・・混乱しているの・・・・・・」

ソーマ
「・・・・・・・・・ふーむ」

じーっとえりなを見つめるソーマの視線に思わず慌てるえりな。

えりな
「ご ごめんなさい・・・
思わずあなたの部屋に来てしまったけど、こんな話聞かされても困るわよね・・・っ
し 失礼するわ」

ソーマ
「まぁまぁ待ちなよ
もう一回味わってみりゃいいんじゃね?
今から作ってやるよ」

えりな
「・・・?」

手ぬぐいを取るソーマ
「”ゆきひら”の料理を・・・・・・今ここで!
お待ちを 薙切えりなどの・・・!」

一晩限りの『ゆきひら』開店!

ソーマ

–168話ここまで

次回、食戟のソーマ 169話へつづく

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