食戟のソーマ 170話 凍っていた想い

公開日: 

天丼が出来上がった!

ソーマ
「できたぜ薙切 おあがりよ」

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えりな
「・・・自信だけはあるようね・・・
では聞きましょうか 
この私に対していったいどんな品を作ったのか!」

ソーマ、ニヤッ
「お答えするよ・・・こいつは・・・
ゆきひら流 “鶏卵の天ぷら丼” だ!!」

えりな
「鶏卵の・・・天ぷら!?」

食戟のソーマ170

吉野達は別室で聞いていいる
(・・・どうやって揚げたんだ?)


「生卵を油に入れたところで・・・天ぷらになるわけないわよね ぐちゃぐちゃになっちゃう・・・!」

吉野
「そもそも衣がつけらんないじゃん!」

丸井
「まさか殻付きのまま揚げた・・・!?」

佐藤
「おいおい殻ごとバリバリ食えってかぁ?」

えりな
(い・・・いったいどういう事!?)

食戟のソーマ170

食戟のソーマ170

えりな
「!!」
(これは・・・!!
白身だけがわずかに固まりはじめて、そして黄身は見事なまでの半熟!
トロトロに仕上がっている・・・!
もしや半熟のゆで卵に衣をつけて揚げた・・・?
いいえ!それでは天ぷらにする熱で黄身が固まってしまう どうやってこの料理を!?)

ソーマ
「へっへっへぇ~ 
不思議だろー?気になるだろー?
どうやって作ったか!」

えりな
(くっ・・・相変わらず腹立たしいわね・・・!)

ソーマ
「その種明かしは・・・こん中を見ればわかるぜ」

えりな
「・・・これは!?
卵が・・・冷凍庫に!?」

ソーマ
「そ!これは凍らせといた生卵に衣をまとわせて揚げた天ぷら!!
そしてそいつを主役にした天丼ってわけだ!
生卵はビニール袋とかに入れて冷凍する!
凍ると中身の体積が膨張して殻が割れちまうからな」

※飲み物などの瓶を冷凍庫に入れておくと割れてしまうのと同じ理由

ソーマ
「鶏卵の消費期限は普通、産卵から21日後くらいまでだけど 冷凍すれば大体50日間は日持ちするようになるんだよな~
調理手順は・・・

殻をむいたら衣をまとわせてカラッと揚げる

炊きたてご飯にタレをたっぷりかけて、卵の天ぷらをのっけて

その上から更にタレをかけて 紫蘇の素揚げを添えて・・・おわり お手軽なのに美味いんだこれが!

以上が卵を天ぷらにできた秘密・・・

んまぁとにかく食ってみろよ!
冷めたら揚げたてのザクザク感が台無しになっちまうからさ」

えりな
「フン・・・相変わらずムチャクチャな調理をするわね 
しかしそんなアイディア料理は私に通用しません
卵が主役の料理はシンプルだからこそ料理人の腕・・・
そして素材の良し悪しがダイレクトに料理に反映される!
神の舌へこの品を出した事・・・後悔しないことね」

青木
「おおぉ!えりなっちが食うみたいだぞ」

丸井
「うん・・・はたしてお眼鏡に適うのだろうか!?」


「・・・」

吉野
「・・・?
涼子ちゃんどうかした?」


「・・・いえ・・・ちょっと気になる事があって・・・
幸平くん・・・
ついこの間まとめ買いしてたのよね、1パック106円の激安特売卵を・・・」

その時の会話・・・

ソーマ
「安売りしてたから大量に買っちまったぜ~」


「そんなに買って使いきれるの?」

ソーマ
「だいじょぶだいじょぶー 
ちゃんと保存方法考えてるからさー」

それを聞いて慌てる秘書子
「マスいぞ・・・!!
えりな様は幼少期から高級かつ厳選された食材にだけ囲まれて育ってきた!
もし安物の食材を口にしたら、お体にどんな異変をきたすか分かったものではない!!」

一同
「何ー!?」

食戟のソーマ170

吉野
「えりなっち食べちゃだめぇー!!」

ザクッ

・・・

いい音の後、少しの静寂が・・・

一同
「・・・?」

えりな
「・・・君の用意した卵が高級な烏骨鶏卵やブランド卵とも違うことは食べた瞬間に分かったわ・・・
これは高級美食とは程遠い一般家庭の食卓で出されるレベルの物・・・なのに・・・
どうしてここまで繊細で深い味わいが生まれているの!?」

全身ビクビクッ・・・と感じるえりな

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吉野
「おおーっやったぁああ!!」


「特売の卵・・・なのに!?」

青木
「何をやったんだ幸平ぁ!?」

ソーマ
「冷凍することで卵に起きる変化だけど もういっこ言ってない利点があるんだよ」

えりな
「・・・!?」

ソーマ
「それは・・・黄身がもつ “風味の濃度” が一段深まることだ」

えりな
「風味の・・・濃度ですって!?」

ソーマ
「鶏卵は凍らせることによってたんぱく質がぎゅっと固まってゼリー状になる!
するとモチモチ・プルプル・クリーミーな食感になって、特に黄身の風味とコクがぐっと濃厚になるんだよ
つまり卵を凍らせる事が この天丼の美味さの最大のポイントなんだ!
そしてたっぷりかけたのは食事処ゆきひら特製ブレンドのうま味抜群甘辛ダレ!
鰹出汁をベースに醤油やみりんで濃いめに作ってある」

ごくりっ・・・と唾を飲み込む一同

ソーマ
「これが卵にもご飯にも合わないワケないんだな!
ただし・・・コクの強すぎる高級卵を使えば丼全体がクドくなっちまう」

ハッとするえりな
「まさかそれで・・・!?」

ソーマ
「そう!冷凍卵の食感・コク、特製ダレの濃厚感 この両方を活かすにはむしろ淡白な卵こそがベストなのさ!」


「そっか・・・!
特売卵をチョイスしたのにも理由があったのね!」

田所
「さすがソーマくん!」

えりな
「・・・どうして どうして卵を使おうと思ったの・・・?」

ソーマ
「あん時、お前が出したお題も卵だったからさ 
俺達の因縁にケリつけるのにぴったりな品だと思わねーか?」

えりな
「・・・ どうして・・・」

ソーマ
「ん?」

えりな
「どうしてこんな事を思いつくの・・・? 
卵は鮮度が命という事は常識・・・
凍らせるなんて頭に浮かんでも試そうとする料理人など私は知らないわ・・・!
それにいかに稀少で良質なものを手に入れられるか苦心するのが普通でしょう?
なのに・・・君はなぜ・・・!
どうしてこんな」

ソーマ
「だってその方がおもしれーじゃん」

止まるえりな

ソーマ
「俺の個人的な意見なんだけどさ
“正解” ひとつしか知らない奴は “もっとすごいもの” にはたどり着けない気がするんだ
それになによりも・・・」

回想。

幼少の頃の事が思い浮かぶえりな

えりな
「あの・・・っ どうして・・・どうしてこんな組み合わせを思いつくのですか?
どの皿もものすごく斬新で・・・
奇抜なのに丁寧で・・・
美味しい皿になるってはじめからわかるのですか?」

城一郎
「わかんないよ?」

えりな
「え?」

城一郎
「新しい料理を試す時はいつも確信半分博打半分さ 
今日だって何品かは君のお爺さんを実験台にさせてもらったよ」

仙左衛門
「・・・」

えりな
「なぜそこまでして・・・」

城一郎
「決まってるさ」

食戟のソーマ170

えりな
(あぁ・・・そうだ 
いま思い出した)

食戟のソーマ170

思い・・・出した・・・)

完食して箸を置くえりな

静かに手ぬぐいをほどくソーマ

食戟のソーマ170

–170話ここまで

次回、食戟のソーマ 171話へつづく

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