火ノ丸相撲 107話 三ツ橋蛍の相撲

公開日: 

客席が沸いている!

「三回戦も三連勝!!
昨日の勢いに鬼丸まで加わってヤベェよ!
左腕の負傷も影響なさそうだ。
これはまだまだ行くぞ大太刀!!」

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礼奈
「それで・・・なんなの・・・?
おチビと天王寺の試合で気づいたことって?
監督にはもう話したの?」

千鶴子
「いえ・・・気づいたのは今朝の事で・・・
それに鳥取白楼と当たる前にまず三回戦・・・
みなさんの集中を乱したくないですから。」

次は副将戦。

1、2回戦は予選としての位置づけで、3勝した時点で終了だが、3回戦からの本戦は5戦すべて行われる。

ダチ高からは國崎。!

火ノ丸相撲107

そして大将戦。

國崎
「よし、行って来い!
全国デビュー戦だ。」

火ノ丸相撲107

観客
「細すぎないか?」
「頼りねぇなぁ」

石神高・真田
「県予選に比べれば大分筋肉も付いたんだが・・・
まぁ・・・この会場にいる他の選手達を見ちまうとどうしてもな・・・」

他校の選手
「あいつ八艘飛びやるぜ」
「マジ?」
「県予選の動画で見たよ。」

対戦相手も変化には気をつけている。

※変化(開始直後に左右にかわす動きをすること)を警戒します。

石神高・間宮
(・・・やはり警戒されているか・・・
立ち合いの変化は虚(きょ)をつくことに意味がある。
来ると分かっている変化など怖くもなんともない・・・
ただそれは三ツ橋もわかっているはず・・・)

見合って・・・

対戦相手
(・・・どう来る?
跳ぶのか?
跳ばないのか・・・?)

三ツ橋「・・・・」

火ノ丸相撲107

対戦相手
(”変化はなしか・・・まぁバレてちゃ跳ぶ意味もねぇか)

ドシャ

三ツ橋はあっけなく倒されてしまう。

観客も
「え?」
「弱っ」

と驚愕します。

間宮
(奇策は温存か・・・
チームの勝利は決まってるしな。
・・・それにしても・・・
成長しているとはいえ、やはり真っ向勝負じゃ全国にはまるで歯が立たねえな・・)

観客
「他の連中が強すぎて忘れそうになるけど・・・
決して相撲が盛んな学校ではないんだよね・・・大太刀って」
「あの子未だに公式戦未勝利らしいぜ・・・」
「マジで!?」

火ノ丸相撲107

ただそういうやつらは大体初日でふるいにかけられて消えていくもんだ・・・

火ノ丸相撲107

仲間も仲間だ・・・・
この先恥をかく未来しかねぇ雑魚をどうして連れてきた・・・
俺なら首根っこ捕まえて退部届かかせるね・・・
それが本当の思いやりってもんだ
チビが相撲やっても辛いだけだろ・・・
なぁ狩谷・・・つーかピョンピョン跳ね回るのは相撲じゃねぇ」

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名塚
「地獄ね・・・
もし私が三ツ橋君の立場だったら、この状況に耐えられるかしら・・・」
(自分の実力とはあまりにかけ離れた高すぎるステージ。
好奇の目、哀れみの目・・・
・・・でもこれらは県予選でも散々浴びた。
彼が変化を武器とする力士だということを知ってるものから容赦なく浴びせられる新たな視線・・・
蔑みの目・・・
まるで相撲を冒涜する者を非難するかのような目。
相撲が好きな人の中でもこの変化を嫌う人は多い。
大相撲でも立ち合いの変化であっけなく勝負が着くことがある。
ルール違反ではない・・・でも
真っ向勝負をよしとする客からはブーイングが上がる。
力と技のぶつかり合いこそが相撲の醍醐味であり、変化はそれを削ぐ行為だと・・・
高校野球で敬遠策を批判する声に近いかもしれない。
学生といえど全国ともなれば見るものの目も厳しくなる。
三ツ橋くんなりに勝利の可能性を探った結果なんだけどね・・・
でも・・・
そもそもこの雰囲気の中で変化することなんて出来るのかしら・・・
全国の会場の重圧の中・・・
彼は今土俵に立つので精いっぱいのはず。」

しかし、三ツ橋の表情は・・・

火ノ丸相撲107

戻って来た三ツ橋に桐仁が声をかける
「三ツ橋・・・」

「大丈夫ですよ。
言ったでしょ、地獄の果てまででも付いていくって。
変化で勝つ。
僕が決めたことです。
今の僕に怖いものなんてないですから」

回想。

全国大会前・・・・

三ツ橋
「僕の相撲ってホントにこれでいいんですかね?」

部長
「え?」

三ツ橋
「いや・・その・・・
僕はいいんです。
こんな僕でもチームの優勝に貢献したくて・・・
だからその為のベストは”変化”で・・・
ただ不安もあるんです。
邪道と言われる変化を磨けば磨くほど・・・
そんなボクの汚い相撲で上げた一勝をチームは本当に喜んでくれるんだろうか・・・
特に真っ向勝負が信条の火ノ丸さんの夢へとつながる道をボクの一勝が汚してしまうんじゃないかって・・・
すみません、こんなこと・・・
ただ・・・他の誰に何を思われても構わないけど、仲間にまで嫌われちゃったら辛いな・・・なんて・・・」

そんな三ツ橋にこっそり近づいた火ノ丸が

火ノ丸相撲107

三ツ橋
「ひっ火ノ丸はん!?」

火ノ丸
「うへへ・・
らしくねぇな・・・お前が弱音吐くなんて」

「えっ?ぼ・・僕ってそういうイメージでした?」

小関
「先行ってるよ」

火ノ丸
「蛍、お前は何か誤解しとるようじゃが、変化も立派な技じゃぞ」

三ツ橋
「え、でも・・・火ノ丸さんは絶対に変化しないじゃないですか・・・」

火ノ丸
「ああ、それはな・・・ワシが変化をしてもそこに魂はないからじゃ!」

三ツ橋
「?」

火ノ丸
「ワシは真っ向勝負が好きでその為の稽古しかしとらん。
そんなワシが練習したこともない”変化”を試合でやってみろ・・・
それはワシ自身が積んできた稽古を裏切る行為じゃし・・・
勝ちに結び付くとも思わん
でもお前はこの数か月間・・・
勝つためにひたすら変化を磨いてきた・・・
その技には魂がこもっておる
ユーマが突き出しを・・・
チヒロが機動力を磨いたのと同じ
変化という点を見れば、お前はワシよりスペシャリストなんじゃ・・
・・・その相撲がお前の本来望んでいた形とは違うこともわかっとる・・・
褒められてもうれしいもんじゃないかもしれん
でもこれだけは言わせてほしい
胸を張れ!
お前がチームの為に考え・・・悩み・・・選び・・・そして磨いた相撲が・・・
ワシにとっては何より誇らしい!」

三ツ橋
「・・・ありがとうございます」
(やっぱり優しいな火ノ丸さんは
おかげで覚悟が決まりましたよ・・・
全国で勝つためには県予選以上の作戦が必要で、それこそ会場中を敵に回すことになるかもしれない・・・
火ノ丸さんの想像も超えて・・・今度こそ嫌われちゃうかもな・・・
・・でももう構わない)

三ツ橋
「火ノ丸さん・・・僕、勝ちますから」

火ノ丸「おう!」

三ツ橋
(僕は全力で行きます。勝利の為に・・・
憧れの火ノ丸さんと真逆の道を・・・・

火ノ丸相撲107

狩谷
「たしかに先輩のいう通り、辞めちまった方がよっぽど楽でしょうよ・・・
でもアイツは辞めてねぇ・・・色々あるんすよ・・・チビには」
(・・その覚悟の先に侮れねぇもんがな・・・)

「おう、こんな所にいたのかお前ら」

火ノ丸相撲107

–107話ここまで

次回 火ノ丸相撲 108話へつづく

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