食戟のソーマ 183話 新たな切り口

公開日: 

熊を探して雪山を行く創真、久我、ガイドの漁師。

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猟師、熊の足跡を見て
「・・・やっぱし今日はダメだな 見ろ、あえて獣道とは違う方向の沢に足跡をつけてる・・・多分追っ手に気づいてやがる」

創真
「へ・・・俺らを撒こうとしてるって事すか?」

猟師
「そうだ 熊はそれくらい狡猾で賢い それに追っ手に気づいてなきゃ寝床になる場所や餌を探しながら歩くから・・・もっと寄り道するもんなんだ
ほとんど止まらずに移動し続けてるって事は・・・つまりそういう事だ」

創真
「・・・ほほう・・・!」

猟師
「人間の足じゃ今日中に追いつくのは無理だ きりあげて山を降りた方がいい すまねぇな・・・解体して見せてやれれば1番いいんだが」

創真
「いえそんな!

食戟のソーマ183

やーほんとにあざっした!熊のこと色々聞かせてもらって」

猟師
「ふん・・・山に入りてぇってガキ共がいると連絡受けた時は雪山ナメてるとしか思わなかったが話してみると骨のある連中だったからな

食戟のソーマ183

下山し始める一同

猟師
「脂の乗り方だがな、今の時期が1番なんだ 冬眠に備えてたっぷりと栄養を蓄えてるからな その脂をしっかり活かせる料理がいいぞ
餌はドングリやコクワ・ナラの実が多いが・・・知っての通り雑食だ、何でも食う 例えば・・・
あと料理人が何より気にするのは解体の手際だろう・・・これが上手くなきゃ肉の味はあっという間に落ちちまう あの遠月学園が手配する肉なら心配ねぇだろうがな」

創真
「遠月のこと知ってたんすねー」

猟師
「日本で食に携わってて知らない者はいねぇだろうよ
・・・いいか、勝負当日に遠月が用意するっていう熊肉だけどな こいつは間違いなく一級の猟師が一級の手際で解体したモノがくる
だから “悪い臭み” なんてものは肉から出ねぇはずなんだ つまり・・・もしその匂いを活かせねぇとすれば・・・料理人の腕が悪いって事になる」

創真
「・・・!」

猟師
「・・・オメェなら大丈夫だろうがな 試作に使う熊肉が足りなきゃ連絡しろ 俺のツテをたどって用意してやる・・・ま、がんばれや!」

下山し終えて厨房で前掛けを締める創真
「おしっ」

久我
「おまたー!ご所望の品、手に入ったよ~ 

食戟のソーマ183

この “五味子” を使って!!」

食戟のソーマ183

五味子を酒に漬け込む創真

熊肉を機械でミンチし、こねる

食戟のソーマ183

中華研部員
「うおおおっ・・・!なんというバリューム感!」
「匂いもたまらぬ!嗅ぐだけでちが滾ってくるようだ・・・!」
「しかし味は大丈夫なのか・・・!?あれだけ豪快に熊肉をミンチに・・・」
「ああ!臭み抜きが成功していなければ臭さは計り知れんぞ!!」

何のためらいもなくナイフを入れる久我

部員
「主将!?な・・・なんと男らしい!」
「わ・・・我らも続くぞー!!」

一口食べてはだける久我と部員達

部員
「こ・・・これは!?甘くまろやかな脂身のコクとどこまでも香り高い赤身のダブルパンチ!!
そこから肉汁がとめどなく放たれ続ける!!熊肉特有の雄々しい風味は感じる・・・だが決して不快ではない!!
むしろ体の内側から本能を揺さぶってくるような・・・これが五味子の効果だというのか!?」

食戟のソーマ183

創真
「ちなみに五味子は日本酒に漬けこんでから使ってます アルコールで五味子のエキスを出させる事でスパイスとしての機能が活きるんで!

合挽き肉ともしっかり絡むようになりますしね!」

久我
(ただ臭みを消すんじゃない・・・熊肉に対する見事なアプローチだ)
「けど何で幸平ちんが五味子の味を知ってたわけぇ?」

創真
「それはですね・・・俺のツレに薬膳にめっちゃ詳しいやつがいるんすよ」

北海道講座の時の話

秘書子
「一時休憩!!さ、これを飲んだらまた続きだぞ!」

吉野
「もう疲れたー!!」

秘書子が用意したお茶を飲んだ創真
「・・・? 何だこれ、すげぇ不思議な味だなー!」

秘書子
「 “五味子茶” だ 滋養強壮・虚弱改善・鎮咳・止瀉(下痢止め)などに効果がある そもそも五味子の木とは・・・」

創真
「ふむふむ」

青木
「うへ・・・休憩中なのに講義が始まったぞ」

吉野
「ちょっとは頭休めようよー!」

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久我
「なるほどのぉ・・・」
( “別の切り口” が必要とは言ったけど・・・まさか中医学の領域からアイディアを引っ張ってくるとはね・・・!!
確かに薬膳の材料にはスパイスとして有名なものが多いけど それにしても流石の発想力じゃのう・・・!)
「これで熊の臭み問題はひとまず解決したね幸平ちん」

創真
「うす!あとはどこまで熊の美味しさを引き出せるかどうか!!上手くいきゃあ・・・葉山にだってぜってー勝てるぞ!!
おし・・・!!明日からまたガンガン試作するっすよ!!」

久我
「幸平ちんファイトファイトファイットー!」

そこに慌てた様子で走ってくる部員
「主将!!た・・・大変です!葉山アキラが試作してる厨房が・・・!と、とにかく来て下さい!!」

創真と久我
「・・・!?」

葉山の厨房前に到着した一同

食戟のソーマ183

部員
「な・・・なんと・・・!!なんという優美で深い香りだ!?」
「強烈なスパイシーさに甘酸っぱさ!鼻を突き抜ける清涼感まで複雑に絡みあっている!嗅いだだけで身体の奥から熱が沸き上がってくるような・・・これは・・・」
「 “ケイジャンスパイス” だ!!」

創真
「? ケイジャ・・・?」

部員
「アメリカ南部!ニューオリンズを中心にした “ケイジャン料理” で使われるミックススパイスの事だ!
一般的な組み合わせはブラックペッパー・カイエンヌペッパー・パプリカ・・・それにガーリックパウダー・オレガノ・タイム等!
日本でもよく知られている香辛料だが・・・ヤツの手にかかるとまるで別物!これほど力強く深い香りを放つケイジャンスパイスは嗅いだ事がないぞ!!」

久我
(・・・香りの元はそれだけじゃないね この・・・僅かな刺激を含んだ甘い香りは・・・)

創真の右手を掴んで顔を近づける葉山
「・・・試してるのは五味子・・・だな?」

部員
「ひぃいい!?」
「バカな・・・!!手に残った香りだけで・・・!?」

葉山
「悪かったな、そっちのネタを暴いちまって ま・・・そっちも人が試作してる厨房に乗り込んだんだ お互い様だよな」

部員
「葉山アキラ・・・!決して認めたくない・・・が・・・幸平殿よりも熊肉の匂いを活かしていると言わざるを得ない!!」

(やはり・・・香りの扱いでは奴には敵わぬというのか・・・!!)」

創真
「・・・」

久我
「・・・ん?あ!そだっ!」

創真に小声で言う久我
「幸平ちん幸平ちん!忘れてないよね例の件 食戟を挑むんだよ葉山アキラに・・・!アイツの第九席を賭けて!今が良いチャンスだよ!

ほらほらお得意の口八丁で挑発しちゃってよほらほらほら? アイツの試作にビビったりなんかしてないよね??」

創真
「・・・.なぁ葉山ぁ せっかく十傑入りしたってのになんか暗いな、顔」

部員達
「・・・?」

創真
「ほんとにお前、中村先輩のやり方に賛同しちまったのか?
いけ好かねーセントラルに従ってまで念願の十傑に入れたんだからもっと楽しそーにしてりゃいいのに」

久我
「ちょっと幸平ちん、そんな事いいから食戟食戟!」

葉山
「セントラルに楽しさなんか求めてねぇよ・・・俺がセントラルに入ったのは」

創真
「・・・!」

食戟のソーマ183

–183話ここまで

次回、食戟のソーマ 184話へつづく

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