風夏 129話 椛(かえで)の事情

公開日: 

椛の家の串カツ屋で熱を出して泊めてもらった優。
朝になって目を覚ます。
「ん?あれ・・・ここどこだ?確か昨日は串カツ食べて・・・あ、そうだライブ」

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起き上がろうとすると着替え中でパンイチの椛の姿が目に入る。

見られておどろく椛。

店の外。

Blue Wellsのメンバーが優を迎えに来る
「おはようございまーす」

風夏
「あの、どうですか?優くんの具合・・・」

風夏129

風夏
「じゃあ夜にまた来ますんですいませんがもう少し休ませてやってください」


「お・・・おぉ、任しときー!
あんたらもライブ頑張りや!!」

メンバーは歩き出す

那智
「ホントに体弱ぇなーウチのボーカルは」

三笠
「でもこういう時助かりますね。
ギターとボーカルが二人いると」

椛、メンバーを見送りながら
「・・・・ウソは言うてへんよな・・・」

優が起きてきた
「あの・・・今みんな来てましたよね・・・?
僕も行かなきゃ・・・」


「ちょっと何下りてきてんの!
まだ熱があるんやから、大人しく寝とき!
それにそんな顔で登場されて病人ドついたなんて思われたらウチ体裁悪いわ」


「でも、僕が行かないと・・・!」


「大丈夫やって・・・あんたがおらんでも何とでもなりそうやったで」

風夏129

風夏129


「もういいです・・・
ほっといてください」


「なんや・・・
案外体調良さそうやん。」


「ええ・・・さっきぶん殴られたところ以外は」


「そりゃ他人に裸見られたら誰だって怒るやろ!!」


「だったら別の部屋で着替えればいいじゃないですか・・・
もう一部屋隣にありましたよ」


「あそこは入られへん・・開かずの間やから」


「・・・・・・開かずの間?」


「元々はお父ちゃんとお母ちゃんの部屋やってんけどな。
10年前にお母ちゃんが病気でしんでもうてから誰も入ってへんねん
お父ちゃんも今はこの部屋でウチと一緒に寝起きしてる」


「あの・・ごめんなさい・・・」


「ああ・・・ええて気にせんといて・・
なんか今更入るタイミングがないだけやから」


「でも・・・僕にもちょっとわかるから・・・その気持ち・・・」

風夏129


「あーごめん、ごめん
今、次のラストライブで歌う新曲の歌詞考えてんねん
曲は出来てるねんけどええ詞が浮かばへんのよ」


「え、ラストライブって・・・
まさか音楽やめちゃうんですか?」


「まぁね・・・一年後には医者になるための国家試験もあるし
さすがにちゃんと勉強せなアカンやろ」

優、起き上がり
「そんなもったいないですよ!
あんなに歌上手いのに!!」


「しゃーないやん!
ウチの店バイトも雇われへんくらいビンボーやねんで?
お父ちゃんかてもうええ歳やし、いつまでも無理させられへんやろ
どうなるかもわからん音楽続けるよりさっさと医者になって楽させたりたいねん」


「でも・・・」

風夏129


「・・・いえ・・・
すみません・・・
僕が口出しできるような問題じゃありませんよね」


「もぉ・・・またそんな顔をする・・・」

そこに

「おーい!椛ぇ・・・おらへんのかー?邪魔すんでー」

入って来たのは

風夏129


「秀行・・・あんた何勝手に人の家上がってんの!」

秀行
「ええやんか、幼馴染やねんから
それよりそいつ誰や」


「あ、あの僕は」


「親戚の子や
遊びに来てウチの串カツ食べてたら熱出して倒れたから寝かしたってん」

秀行
「熱て・・・お前のお店どんな串カツ出してんねん」


「そーゆー意味ちゃうわ」

秀行
「ま、ええわ・・・それより、そろそろ決めてくれたか?
今日はその返事を聞きに来たんや」


「は?決めるって何を?」

秀行
「俺との結婚や!
いつからプロポーズしてると思ってんねん!
小学生からやぞ」


「せやから・・ねんでウチがあんたと結婚せなアカンねん」

秀行
「決まってるやろ!
俺がお前の事すきやからや!」


「ごめん・・ウチは好きちゃうねん」

秀行
「結婚したら変わるて」


(どうしよう・・・どっか行ってた方がいいのかな・・・)

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秀行
「それに・・・いつまでもこんな汚い店で安い串だしとるから・・・・
コスパも悪いし客もガラ悪いのしか来ぇへんのや・・・」


「余計なお世話や!
だいたいなんの話やねん」

秀行
「せやからな・・・俺と結婚したら、ここをうちの会社のチェーン店にして綺麗に改装したる言うてるんや
もっと簡単に儲かるメニューも考えたるし、そしたら親父さんも楽できるしお前も音楽続けられるやんけ」

椛「なっ・・・」


「あの・・・このお店の串カツは日本一美味しいから・・・
僕は今のままでいいと思いますけど・・」

椛「・・・榛名君」

秀行
「熱出るような串カツ食わされて、よぉそんな事言うたな」


「それは別に串カツのせいじゃ」


「心配してもらわんでも結構や・・・
音楽はやめるし、ウチが医者になってお父ちゃんの面倒みるから」

秀行
「いや、無理やって」


「何!バカにしてんのか?
ウチこれでも優秀なんやで!」

秀行
「そうやなくて・・・

風夏129


「それこそ余計なお世話や!
ええからもう帰って!ウチ忙しいねん!」

秀行
「うわ!しゃーないな
親父さんいてはる時にまた来るからな!」


「お父ちゃんが仕入れいっててよかったわ
そんな話したらあいつド突き回されてんで・・・」


「あの・・・」


「ああ、ごめんな・・・しょーもない話聞かせてしもて」


「いえ、僕の方こそすいません。なんか急に変な事言っちゃって・・・」


「ええねん・・・ありがとう
あんたの方がよっぽどあいつより義理人情をわかってるわ」


「そんなことは・・・」

その時、一階ででガシャーンとう音が!


「な・・・・なに!?
まさかドロボウちゃうやろな・・・榛名くんバット持っといて」

「ハ・・・ハイ」

と階下に様子を見に行くと

風夏129

–128話ここまで

次回 風夏 129話へつづく

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