火ノ丸相撲 90話 高校横綱

公開日: 

名古屋合宿の帰り、電車の中。

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ユーマ
「おう、俺はこのまま空手道場に行くけど、お前らはどうすんだ?」

桐仁
「俺らは学校で稽古っすね。
火ノ丸の仕上がりも見たいし。」

火ノ丸
「・・・・
その前に桐仁。
鳥取白楼のビデオもう一度見たい。
改めて天王寺さんの・・いや・・・
倒すべき敵の姿をこの目に焼き付けたい。
・・・今度こそ顔を背けず、真正面から・・!」

桐仁
「わかった。」
(名古屋合宿はそれぞれが褌を締め直すいい機会になったみたいだ。)

三ツ橋
「そういえばさ、部長と國崎さんは?
二人とも先に降りて行きましたけど。」

桐仁
「・・・何か考えがあるんだろ。
それでいい・・」
(それぞれが自分に足りないものを自覚して・・・
強くなるためにベストを尽くすだけだ・・・)

部長はこんなところで・・

小関

小関
(う・・みんな見てる・・
恥ずかしくて死にそうだ・・
でもこれを平常心で出来るようになればきっと・・
度胸がないならつければいい!
おれがおれを変えるんだ!!)

整骨院から出てきて電話している高校生が一人。
「もしもし、主将?
ええ、もうだいぶ良くなってましたよ!
結局骨に異常はなかったし・・・
これなら個人戦も出ればよかったわー、なんて・・
ハハハ、冗談ですよ、怒らないで~。
明日からオレも本格的に稽古戻りますんで、みんなによろしく~。
じゃーねー。」

別の男がその高校生に背後から声をかける
「明日からといわず、今からどうだい?

國崎

國崎
「これが俺の考えるベストだ。
頼む、俺の稽古に付き合ってくれ。」

石神高校相撲部

ダチ高相撲部も同じ番組を見ていた。

桐仁
「天王寺の姿を焼き付けたいんだろ。
だったら丁度いい。」

テレビ・レポーター
「いよいよ明日、大相撲名古屋場所が始まりますが、その熱気に負けず劣らず高校相撲が今・・・
かつてないほどの盛り上がりを見せているのを皆さんはご存知でしょうか!
今や大相撲は外国出身力士の活躍が目覚ましく、3横綱も全員外国人。
日本人力士は大大和を最後に、横綱昇進はおろか、優勝すら10年以上もさせてもらえない状態が続いています。
そんな中、”将来の日本の国技の担い手”、”未来の日本人横綱”
と期待される若者たち、”国宝”と称される者たちがこの夏武道館に集結するんです!

白楼

現役最強の横綱刃皇関でしょう。
先週母校を訪れた刃皇関は、故郷モンゴルと並ぶ第二の原点であるこの稽古場で、後輩たちと共にたっぷり汗を流しました。」

レイナ
(え?おチビは数秒だけだったのに!)

レポーター
「そんな横綱も熱視線を送る高校生力士が一人・・・」

刃皇関
「大した奴だよ・・・
卒業したらオレの部屋に来いって言ったんだ。
そしたらあいつなんて言ったと思う?
”同部屋じゃ本場所で当たれないじゃないですか。
僕は横綱と戦いたいですから嫌です”
だってさ。
ハハハ、まいったね。」

駿海もこの番組を見ている。

レポーター
「現役横綱もラブコールを送るほどの高校生。
そうです、彼こそが先ほど話した国宝の一人。
選手層の厚いこの鳥取白楼で1年生のころからレギュラーを務め、個人戦では二年連続で高校横綱に輝きました。
文字通り現高校相撲界最強の男!
国宝”童子切安綱”、天王寺獅童君でーす!」

天王寺獅童

レポーター
「大きいですねー!
本当に高校生ですか!?」

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天王寺
「いやいや、僕くらいのは全国行けばゴロゴロいますよ。」

「横綱のラブコールを蹴ったというのは本当ですか?」

「ハハハッ。
あれは横綱流のリップサービスです。
真に受けるほど僕もアホやないですよ。

栄華大付属

レポーター
「謙虚ですねー。
しかし、高校入学以来公式戦は無敗!
やはり同世代では頭一つ抜きんでてる印象ですが。
最後にその強さの秘訣についてお聞きしたいのですが・・」

「秘訣・・・ですか・・
別に特別なことなんて何もないですね。
僕は横綱の息子でもなければ、大関の弟でもない。
ただ強いて言うなら・・
俺が誰より相撲が好きってことやと思います。
俺が一番相撲が好きで、俺が一番相撲の稽古をしてる。

天王寺獅童

駿海
「全国高校生力士に向けた宣戦布告だな。
・・謙虚さも決して嘘ではない。
だがその品位という皮を一枚むけば鬼・・・
謙虚さとプライドが高い次元で同居している。
高校という冠がついちゃいるが、その風格は紛れもなく横綱だ。」

回想。

火ノ丸、駿海の元での修行時、横綱との稽古の後。

駿海
「火ノ丸、わかっているとは思うが、天王寺は・・」

火ノ丸
「はい。

火ノ丸

インターハイという同じ土俵で心を燃やす天王子獅童は、今日見た横綱の何倍も恐ろしいと思え・・」

現在。

桐仁
「・・・まったくついてねえよな・・・
何だってこんな世代に当たっちまったのか・・・」

火ノ丸
「いや、そうじゃねえだろ。
頂点を目指すもので、天王寺のことを意識してない奴なんていねえ。
天王寺が最強で在り続けたからこそ、その背中を追う者たちも、同時に強くなることが出来た。
あの人がいなかったらワシもきっとここまで来れちゃいない。
感謝すらしてる。
後は・・・

火ノ丸

駿海
「天王子は強い。
だが火ノ丸とてインターハイの土俵に上がれば、あの横綱とやった時よりも、何倍も強く輝けるはずさ・・・」

火ノ丸
(・・もうあんた(天王寺)を見ても、怯みはしない。
今日までワシが歩んできた道のり全てが誇らしいものだから・・
待ってろよ、全国・・
ワシの全てをぶつけてやる・・!!

1か月後、8月某日。

全国高校総体
相撲競技大会、開幕。

–90話ここまで

次回 火ノ丸相撲 91話へつづく

○感想

部長は覆面がだいぶ気に入ったようで・・・

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