繋がる個体 22話 原田という男

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夜、原田は台所でひとり落ち込んでいた。

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隣にカップルが越してきて早々、
うちの前を汚すわ、
話し声はうるさいわ、

「はあ・・・」
(これからずっとこんななのか?)

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一人の平和が乱されませんように・・・

朝になり、隣の大学生カップルがどたどたと朝の準備をする音で目が覚めた原田。
「やばっ」
急いで身支度を整え、玄関を開けると、そこには例の二人が。

チワワ・ここみ
「おはようございます。」

原田「・・・・」

ここみは駅でチワワと別れた後、駅で原田に声をかける。
「いっしょにいきます?」

電車の中。

原田
(なぜだ?なぜ俺は隣人女と同伴出勤しているのだろう?)

ここみ
(おなじとこ(大学)行くのに誘わないのも不自然だしね。それに・・・)
「あの、”なんか”って言ってごめんなさい。」

原田
「ああ、別に・・・」

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大学に着くや否や原田はまた、飲みかけのジュースを捨てようとする。

ここみ
「なんでです?なんですーぐ捨てちゃおうとするんです?
せめて一回聞きましょうよ。飲んでますか?とか。」

原田
「結露。夏なのに結露してないってことは長時間放置されているのでゴミですよね。」

ここみ
「だらだら飲んでいることもありますし、ペットボトルだと常温販売もしてますよ。」

原田
「え!それ本当ですか?」

ここみ
「ちなみに冬は何で判断するんです?」

原田
「缶なら湯気。ペットボトルなら内側の水滴です。」

ここみ
「原田さん、逆に天才ですね。」

原田
「逆?」

ここみは急に笑い出し、
「よかったぁ!お隣さんもっと怖い人かと思ってたあ!
これからお隣さん同士仲良くしてくださいね!」

原田
(いやいや、なにがどうなって仲良くしてくださいにたどり着いたんだ?
女の判断ってわからない。
自分の付き合ってた人のした判断もわかってないのに隣人女の思考なんてわからなくて当然か。)

原田の回想。
原田は以前、今住んでいる部屋で彼女と同棲していた。
部屋は彼女の好みに変えられていったが、それも悪くないと思っていた。

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彼女とは結婚も考えていたが、ある日、彼女に相談もせずに会社を辞めてしまった。
怒った彼女は
「別れる」
の一言を残して出て行ってしまった。
なぜ出て行ってしまったのか、原田には分らなかった。
”別れる”という判断に至った理由を教えてくれなかったから。

ここみ
「仲良くしてくださいね、のあとの、お返事を待ってるんですけど・・・」

原田
「仲良くはおいておいて、隣人としてのルールを守った付き合いをしましょう。」

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夜、ゴミ出しをする原田。
(ゴミ捨てた後のスッキリする感じと、ほっとする感じが良い。
彼女が出て行ったあと、彼女の残したものを捨てたら気持ちが落ち着いた。
それで、自分が掃除が好きなことに気が付いた。)

ガタンと隣のドアが開き、隣の二人がゴミ出しについて言い合っている。

ここみ
「これはキャリーケースのSSサイズだから粗大ごみじゃないよ。
燃えないゴミだよ。」

チワワ
「粗大ごみは大きさだけじゃないはずですよ。確か。」

原田
「待て!それは区のゴミ券Bが必要な粗大ゴミだ!」

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–22話ここまで

○感想

謎めいた感じの原田の過去が一部明らかになりました。
(特に興味はなかったけど)
2人と原田は大きくかかわっていくことになるのかな。

最期の「やっぱ、仲良くなんてムリ。」は原田の心の声でいいんですよね。

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